毎年、この時期に根津美術館で展示される尾形光琳の燕子花屏風図。
7メートルにわたり描かれている燕子花の群生は、
金地に青と緑だけのシンプルな色で画かれています。
伊勢物語の9段、東国に下る途中の主人公が、三河の国八橋で目にした
燕子花の光景を、かきつばた の5文字を冒頭において詠んだ
「から衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもう」を
画いたものだと解説されています。
いつものことながら、絶句。絵の前に立つと100輪の燕子花の群生の中に引きずり込まれていくようです。
根津美術館は、私のところから徒歩15分の程よい距離なので、展示が変わる度に参ります。
特に「光琳の燕子花図」の展示の時期には、美術館の見事な日本庭園を歩くと、かきつばたが咲いていて
「光琳の燕子花」の余韻に浸りながら、お庭のかきつばたをみるのがなんとも良いのです。
残念ながら、今年は訪ねるのが早かったので見れませんでしたが・・・
http://www.nezu-muse.or.jp/(根津美術館はこちら←)
同時に展示されている「吉野龍田図屏風」の爛漫の桜と美しいもみじも素晴らしいです。また、
画面の桜やもみじ枝に結ばれた短冊等も、書をするものにとって興味深くみれます。
伊勢物語絵巻は、25段と40段の絵からなっていて、詠まれた和歌の内容を絵にしている場面が多く
これも書をするものには楽しみです。5月15日まで開催されています。