友人の工房から、歩いて15分。奥山の澄んだ冷気をうけながら室生寺へ。
室生寺は宇陀川の支流、室生川の北にある室生山の山麓から中腹に堂塔が散在しています。
山号は「宀一山」(べんいちさん)。
古来より女人禁制の高野山に対し、女性の参詣が許されていたので
「女人高野」とも呼ばれる寺です。
平安時代に造像された国宝や、重要文化財が数々現存し拝観できます。
今回は、昼は国宝の五重塔から、奥の院までゆっくりとまわり、
帰り道には室生の田園にひっそりと立つ家持の歌碑や、
龍穴神社を訪ねました。
宵闇迫るころから、ライトアップされた室生寺へ。
境内では土地の保存会の人たちが獅子舞で観光客をもてなしてくれます。
階段の頂上に立つ、国宝の五重塔をみあげると
幾重にも重なる深紅の紅葉と相まって
思わずため息が出るほど幻想的で美しいたたずまいです。
夜は、工房に立ち寄ってくれた若い僧侶の講話に耳を傾け、
私も、空海や、「べんいちさん」について等々質問したり、
新鮮で静観な室生の夜でした。