「君がため 春の野に出でて若菜つむ 我が衣手に雪はふりつつ」
百人一首でもおなじみの、光孝天皇のうたです。今から1500年前のうたですが、
光景が目に浮かぶようです。
若きプリンスが、嵯峨野の芹川野で愛しい人に差し上げるために若菜を
摘んでいる。その袖口に雪がはらはらと舞い降りる。
若菜の緑、白い雪、烏帽子を被るハンサムなプリンス、絵になる清しい
美しい景色です。
この時代、若菜はとても貴重な胃にやさしい食材だったのですね。
芹 (せり) = 芹 (競り勝つ)
薺 (なずな) = ぺんぺん草 (撫でて汚れを払う)
御形(ごぎょう)= 母子草 (仏体)
繁縷(はこべら)= はこべ (繁栄)
仏の座(ほとけのざ)=小鬼田平子 (仏様の安座)
菘 (すずな) = かぶ (神を呼ぶ鈴)
清白(すずしろ)= 大根 (汚れのない白)
1月7日「人日の節句」これは5節句のひとつですが、古く唐代、中国でも
7種類の若菜汁を食し、無病息災を祈ったようです。
我が家でも、七草粥や、焼いた御餅を入れた味噌仕立の若菜汁をいただきました。
今年も無事でありますようにと願いつつ・・・