ふとしたこたから、小笠原 諸島の父島を訪れることになりました。
東京から南へ約1000キロ、飛行機はないので、竹芝桟橋から6日に1便運航している定期便「小笠原丸」で24時間の船旅です。
小笠原は、1593年、小笠原貞頼によって発見されましたが、最初の定住者は、
当時、鯨船に水と食料を供給するために住み着いた欧米人5人と、ハワイ人15人ということです。
くしくも、そのハワイ人の直系にあたる方 に島を案内していただきました。
世界遺産の海と空と緑。落ち着きのある深い不思議な美しさです。
島の名物。地場の魚。亀の刺身。亀の煮付け。四角豆や、オクラ、ゴーヤの天ぷら。
島寿司。珍味です。
南島へ。父島南西にある無人島です。
上陸するのに桟橋はないので、船の舳先から、軍手をし岩の上を攀じ登って上陸します。
ここは、「沈水カルスト地形」という石灰岩特有の特殊な地形で、窪地や鋭く尖った岩がみられるのだと案内してくれました。
白い砂浜は、貝殻やウミガメの産卵があちこちにあり、産卵した場所には印があります。
島全体が、天然記念物なので、気をつけて丁寧に歩きます。流石、世界遺産。美しい!
小笠原の人たちは暖かい。着いた時も大勢のお出迎えでしたが、帰りもまた太鼓の音とともに、大勢の島人が送ってくれました。
驚いたのは、10隻位の船が追っかけて来て、我々の船にむかって大きく手を振りながら暫く並走。
なんと、最後は海に飛び込んで立ち泳ぎしながら見送ってくれました。
デッキの我々も感激のあまり、目頭を押さえて手を振る姿もあちこちに。
父島と、南島だけの旅でしたが、 知らなかった小笠原諸島のことを少しは知る事ができました。
リオのオリンピックは、目を離せず、多くの勇気、鋭気を養うすばらしいものでした。
落ち着いたら、小笠原で見た深く美しいいろを、日々対峙する墨色に重ね、紙にうつして見ようと思います。