初夏 暮らしに活きる書

「紫陽花の八重咲く如く八つ代に をいませ我が背子見つつ偲ばむ」(万葉集)

 

次々に変わりゆく紫陽花の色を新鮮だと捉え、相手のことを想う優しい歌ですね。

(紫陽花を詠った万葉集は、わずか2首。その後、古今集などにも見当たらないので

貴重な一首です)

 

6月、お教室でも、雨の中いっそう美しく咲く紫陽花を見ながら、

おもてなしの書、インテリアの書、などを書いていきます。

正確には、書ではなく日頃鍛えている筆の線を使い、点と線を自由に書いていく作業ですが・・・

 

花瓶と池田櫻の書

 

料理と池田櫻の書

 

料理と池田櫻の書

 

頭が重いアイビーには、下に、強めの金文のマットを置いたら、バランスがよくなりました。

ランチの時も、こんなランチョンマットがあればお洒落ですね。

いずれも、使用した紙は半紙2枚。筆は羊毛の長峰と兎の口ひげです。

 

池田櫻教室生徒

 

暖簾センター

 

暖簾は、生地は麻。筆は羊毛の連筆。墨は茶墨。モダンな和室に掛けるというので

出来上がりをみた後、薄く柿渋をかける予定です。

 

センターは、青墨。シャープな線に柔らかさを表現したいと羊毛を使用。

書かれた文字は、仮名で百人一首。今では我が教室の十八番になっています。

 

暖簾青墨

 

これは、日頃から相当書きこんでいないと難しい仕事です。

 

「筆遊び」とか、安易に言われますが、本当は、基礎を重ね

行きつくところの仕事です。各々、それをわきまえながら取り組んでいます。

 

暮らしの中の書。心も豊かになり素敵ですね。